差別反対都庁前アピールは、次回(3/31)の開催をもって、不定期開催に変更させていただきます。

 3月27日(金)に、東京都議会の平成27年度第一回定例会が閉会しました。この定例会において、ヘイトスピーチを止める、やめさせるための条例、意見書、宣言などは、議案としても提出されないまま閉会となりました(提出議案の一覧はこちら)。

 私たち差別反対東京アクションは、2013年10月から東京都に対し、「行政が責任を持ってヘイトスピーチデモを止めるための具体的な対策を講じること」を求めて、「差別反対都庁前アピール」を行ってきました。約1年半この活動を続けてきましたが、その間、国連人種差別撤廃委員会からの勧告、舛添都知事から安倍首相への申し入れに基づく自民党内でのヘイトスピーチ対策PTの開始、京都朝鮮学校前で行われた街頭宣伝を人種差別に基づく犯罪と断罪した最高裁判決、そしてなにより、昨年9月の東京都国立市議会での「ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する 法整備を求める意見書」の採択から始まる、国に対しヘイトスピーチ対策を求める全国の多くの地方自治体での意見書採択の流れを受け、東京都としてもなんらかの態度を表明するものと期待していましたが、残念ながらその期待は見事に裏切られました。

 差別反対都庁前アピールは、これまで58回、のべおよそ1,500人の方が参加して行われ、多くの皆さんの差別に反対する声、民族、人種差別だけでなく性差別、性的指向差別に反対する声を、都庁に届けてきました。しかしながらこの定例会の結果を受け、私たち自身がより強力な影響力と圧力を持つ団体に進化しなければいけないと考えています。そのための組織作りを検討し、具体的な活動内容についても見直す時期に来ていると考えています。

 そこで、差別都庁前アピールは次回の開催をもって定期開催形式を一旦中断し、情勢等を見ながらより効果的なアピール行動として、不定期開催といたします。そして開催形式の変更によって余裕の出たリソースを、より強力な影響力と圧力を持つ団体に進化するための準備に振り分けることにいたします。

 これまでの皆さんからの力強い支援に深く感謝いたします。また、これからの進化に向けた皆さんのご理解と引き続きのご支援も、お願いいたします。

【第59回差別反対都庁前アピールのご案内】
日時:3月31日(火) 19:00〜20:00

「安倍政権NO!☆0322大行動」日比谷野音集会での差別反対東京アクションからのアピールスピーチ原稿

差別反対東京アクションを代表して発言します。

悪夢のような言葉ヘイト・スピーチ

良い韓国人も悪い韓国人も殺せ。

南京大虐殺じゃなくて鶴橋大虐殺を実行するぞ。

国内外に住むマイノリティの尊厳を大きく傷つけてきたヘイトスピーチ。それは憎悪と暴力をまき散らし、私たちの住むこの社会そのものを破壊しています。

まず言いたい。特定の民族をひとくくりにして、差別を行ってきた者たち。ヘイトはもう止めろ。今すぐやめろ!

それに対して、見てみぬふりは出来ない、許せない、多くの人達がカウンターとして路上に立ち、その輪は広がりました。そしてメディアで取り上げられ、国連人権規約委員会でも議題のひとつとなり、その結果、在特会などによるデモや街宣の勢いは、少しずつ弱まっています。

しかし、一方、ネットでは相変わらずヘイトが蔓延し、本屋にいけば「排外主義」の本がずらりと並んでいます。また、その矛先は在日コリアンの人たちのみならず、LGBTや生活保護受給者など社会的弱者に向けられています。

安倍政権は、このようなヘイト・スピーチに対して、国連の勧告を無視し、見て見ぬふりを続けてきました。

彼のフェイスブックやTwitter、政権批判のコメントはすぐに削除されます。しかし路上でのヘイトスピーチと寸分たがわないコメントは、毎日毎日そのまま放置されています。

そして閣僚の多くは復古主義の日本会議に所属し、差別団体とつながりがある人もいます。

なにより、当の安倍首相自身が、在特会の元幹部と仲良く写真をとっていたではありませんか。

「ヘイトスピーチの解消に向けて啓発活動を強化していく」と言った安倍首相ですが、その腹の中は、「真逆」です

安倍内閣は戦争準備内閣です。

安倍内閣は、むしろそのためにヘイト・スピーチを利用しています。

歴史修正主義の立場に立ち、韓国や中国を憎み、敵視する世論は彼らにとって非常に都合が良いのです。

差別は戦争を準備します。

1923年、関東大震災、ここ東京の各地で沢山の朝鮮人が殺されました。

偏見と差別は容易に人の心を狂わせ、人の命を奪います。

油断すればまたあの日がやってきます。いや、もう、すぐそこまで来ているのかもしれません。

沈黙は裏切り

キング牧師の言葉です。

いま沈黙を破り、いまここから声上げよう、上げ続けましょう。

ノーヘイト!

一人ひとりの力は小さくても決して我々は諦めない。叫ぼう!

ノー安倍政権!

3月21日(土)国際人種差別撤廃デーに合わせて「ヘイトスピーチ、許さない。」の街頭宣伝を行います。

昨年実施いたしました「国際人種差別撤廃デー 2014 NO HATE, SHARE THE LOVE!」には、多くの方のご参加をいただき、ありがとうございました。渋谷-表参道-原宿の「人種差別撤廃のための渋谷デモ」と、シンポジウム「ヘイトスピーチにNO! 大会議」という2本立て企画を通じて、「ヘイトスピーチ」に対する社会的な認知を高めることができました。

またその後の皆さんのカウンターや宣伝行動、ロビイング活動により、今まで以上に厳しい国連人種差別撤廃委員会から日本国への勧告を引き出し、また京都朝鮮学校への在特会街宣に対する損害賠償の支払いを命じる判決が最高裁で確定し、さらに、多くの自治体でヘイトスピーチ規制、対策を国に求める意見書が採択されています。ヘイトスピーチを行う差別主義者への包囲網は、確実に狭まっていると言えます。

今年も同様な企画を実施すべく検討を進めてまいりました。しかし残念ながら諸々の事情により、デモやシンポジウム等の企画実施については断念することとなりました。昨年に引き続きご参加を予定されていた皆様に対しましては、心からお詫び申しあげます。

さて、本年1月に法務省が「ヘイトスピーチ、許さない。」ポスターならびにリーフレットを作成し、配布を開始していますが、まだまだ認知が低いのが現状です。そこで、私たち東京アクションとしましては、さらに差別主義者への包囲網を狭め、街中でのヘイトスピーチを許さない社会づくりを進めていくために、法務省作成のリーフレットを広めるための街頭宣伝行動を行うことといたします。

本年は、日本国が人種差別撤廃条約(あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約)に加入して20年という節目の年でもあります。改めて、3月21日を人種差別撤廃のための記念日として社会に広めるために、以下のスケジュールで街頭宣伝行動を行います。皆様もご一緒に参加していただき、リーフレットの配布等のご協力を賜われれば幸いです。

■スケジュール

  • 13:00〜14:00 渋谷ハチ公前広場
  • 15:00〜16:00 新宿西口(もしくは南口)

法務省_ヘイトスピーチ許さない_リーフ

法務省リーフレット「ヘイトスピーチ、許さない。」が無いなら、東京アクションで刷っちゃいます。

きっかけはこのツイートでした。

@daiot · 3月2日
法務省の「ヘイトスピーチ、許さない。」のビラをたくさんもらえないかと、自分でプリントしたものを1部持って、横浜地方法務局の人権擁護課に行ってきたのだけど、次のようなやり取りの挙句、2枚しかもらえなかった…。

@daiot · 3月2日
私「これ何枚かいただきたいのですが」
法「データから印刷したものでいいですか?」
私「えっ。これ私が印刷してきたものなので、できれば正規のものを」
法「あまり無いので2枚でいいですか」
私「あまり無いんですか?」
法「本省からあまり送られてきてないんですよ。だからうちにもなくて」

@daiot · 3月2日
横浜地方法務局の本局は立派な合同庁舎に入っている大きなとこだけど、そこの人権擁護課にすら大して数を置いてないようじゃ、法務省の「啓発に力を入れる」は、力の入れ具合が不足しすぎてる気が。

@daiot · 3月2日
そう言えば、人権擁護課には、種々の啓発のチラシがおかれたスタンド?のようなものがあったのだけど、そこに「ヘイトスピーチ、許さない。」のチラシは置かれてなかった。ので、自分で1部プリントしていったのを見せて、「これありますか?」と聞いたんだよね。置かれてもいないという(苦笑)。

舛添東京都知事は東京都総務局人権部のホームページ「じんけんのとびら」で、このように述べています(知事からのメッセージ)。

2020年、オリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。世界中から訪れる外国のお客様に「史上最高・世界一のオリンピック・パラリンピック」と評価される東京大会を実現したいと思います。
オリンピック憲章は、「人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別」を禁じています。この理念を東京においても実現しなければなりません。
一方、一部で見られます特定の国籍の外国人を排斥する趣旨の言動、いわゆるヘイトスピーチは、一人一人の人権が尊重され、豊かで安心して生活できる成熟した社会を実現する観点から、あってはならないことと考えています。
日本には、他者を思いやり、尊重し、互いに助け合って生活する伝統と、多様な文化を受入れ発展してきた歴史があります。
東京を訪れる外国のお客様に最高のおもてなしを提供し、東京の魅力を世界に発信していくためには、私たち都民と東京で暮らす外国人が同じコミュニティで生活する構成員である、という意識を持ち、多様な文化、価値観、生活習慣等について理解し、尊重することが何よりも大切です。
都民・国民の力を結集し、東京を思いやりに満ちた「世界一の都市」にしていきましょう。

東京都知事 舛添要一

舛添都知事は国レベルでのヘイトスピーチ対策を行うよう、安倍首相に要望を伝えたことは、皆さんもご存知のことと思います。安倍首相は本年2月17日の第189回国会本会議の場で、共産党志位委員長からの質問に対してこのように答弁をしています(衆議院会議録情報 第189回国会 本会議 第7号)。

ヘイトスピーチについてのお尋ねがありました。
一部の国、民族を排除しようという行動のあることは極めて残念であり、あってはならないことと考えています。
いわゆるヘイトスピーチと言われる行動に対する立法措置については、各党における検討や国民的な議論の深まりを踏まえ、考えてまいります。
今後とも、一人一人の人権が尊重される、豊かで安心できる成熟した社会を実現するため、教育や啓発の充実に努めてまいります。

それに先立つ本年1月16日の法務大臣閣議後記者会見で、上川法務大臣は次のように述べています(法務省:法務大臣閣議後記者会見の概要)。

私の方から一点報告をさせていただきたいと思います。
近年,特定の民族や国籍の人々を排斥する言動がいわゆるヘイトスピーチであるとして社会的な関心を集めているところでございます。こうした言動につきましては,人々に不安感や嫌悪感を与えるだけでなく,人としての尊厳を傷つけたり,差別意識を生じさせかねないものであるということで,あってはならないことであると考えております。法務省の人権擁護機関といたしましては,これまでの「外国人の人権」をテーマにした啓発に加えまして,現在,各種媒体により,こうしたヘイトスピーチがあってはならないということを,御理解いただきやすい形で表しました,より効果的な啓発活動に積極的に取り組むとともに,ヘイトスピーチによります被害などの人権に関する問題の相談窓口につきましても周知広報に積極的に取り組んでいるところです。
その一環といたしまして,既に「ヘイトスピーチ,許さない。」と題した新聞広告による啓発を行っております。
また第二として,法務省のホームページでの「ヘイトスピーチ,許さない。」と題したバナーやページの新設をいたしました。
第三として,法務省のホームページにリンクしたインターネット広告による啓発につきましても取り組んでおります。
これらと合わせまして,相談窓口の周知広報を実施してきたところでございますが,このたび,新たなポスターを作成いたしましたので御紹介いたします。
本ポスターのデザインは,黄色を背景に,黒文字で「ヘイトスピーチ、許さない。」という明確なメッセージを伝えるものでありまして,私どもの断固たる姿勢をアピールするものです。このポスターにつきましては,来週中に配布を開始した上で,法務省を始めとする中央省庁及びその出先機関,自治体,公共機関等での掲示を予定しているところであります。また,今後,このデザインを活用いたしまして,リーフレットや交通広告,あるいはスポット映像によります啓発なども予定しているところです。
(下線は東京アクションで追記)

このように、国レベルでとりあえずは啓発活動が始まったにもかかわらず、そのリーフレットが十分に配布されていないということは、国は本気で「ヘイトスピーチを許さない」社会づくりのための啓発活動を行う気があるのでしょうか?

差別反対東京アクションは、このような国が行っている「啓発活動の実態」に抗議する意を込め、また各地でのカウンターの際の周知活動の支援も目的とし、法務省が作成した「ヘイトスピーチ、許さない。」リーフレット(A4裏表4色カラー)を、とりあえず20,000部作成します。

各地には無償で送付いたしますので、ご希望される方は以下のフォームにてお申し込みください。リーフレットの発送は3/16から開始する予定です。