4月27日に、北海道立道民活動センター(かでる27)で桜井誠の講演会が予定されています。
http://calendar.zaitokukai.info/hokkaido/scheduler.cgi?mode=view&no=167
これに対し、北海道で反差別を闘う有志の方々が、会場を管理している「一般財団法人道民活動振興センター」宛に会場の使用許可を取り消すよう、本日、要望書を渡しました。
差別反対東京アクションとしては、この要望に対して全面的に賛成の意思を表明するために、賛同者として名前を連ねさせていただきました。
提出された要望書の内容は以下の通りです。
要望書
北海道立道民活動センター(かでる27)指定管理者
一般財団法人道民活動振興センター 理事長 相馬秋夫殿
「在日特権を許さない市民の会」いわゆる在特会の会長,桜井誠氏が,4月27日に北海道立道民活動センター(かでる27)の940研修室にて講演会を開く旨が告知されています。
【資料1】http://calendar.zaitokukai.info/hokkaido/scheduler.cgi?mode=view&no=167
この団体の主旨は,「在日特権」なるものを許さないとうたっています。しかし,この団体が主張する「在日特権」という言葉そのものが,日本にすむ韓国・朝鮮人を対象にした差別的なものであり,およそ政治的な主張とはいえないことは,すでに多くの人に知られていることです。「在日特権」という言葉を用いることに関する問題は,「在日特権の虚構」野間易通著(河出書房出版社,2013年)によって明確に指摘されています。
実際に,この団体および関連団体が行っていることは,人種差別を扇動する行為,もしくは人種差別を行うために政治運動にみせかけた集団示威行為です。
2009年に京都の朝鮮学校(日本の小学校に相当)に対して行った街頭演説では,あまりにもひどい言葉による罵倒のためにそこで学ぶ子供たちを恐怖の底におびえさせ,精神的な傷害を受けた人も多かったそうです。
この事件については,京都地方裁判所において民事訴訟が行われ,約1200万円の損害賠償を支払うよう命じた判決が出されました。
【資料2】 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131021142729.pdf
この判決には重要な点が3つあります。
1.判決の根拠として、わが国が批准している人種差別撤廃条約が国内で効力があることを確認し、それを用いていること。
2.人種差別撤廃条約に規定している司法の役割にしたがって、「人種差別を禁止し、終了させる」ことを実現しようとしていること。
3.在特会の活動として、ネットを通じた動画の配信行為が重要な役割を果たしていることから、動画配信に協力した人の責任を大きく認定していること。
なお,人種差別撤廃条約の全文は以下のURLにあります。
【資料3】 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/conv_j.html
この条約の4条(c)に、
国又は地方の公の当局又は機関が人種差別を助長し又は扇動することを認めないこと。
という規定があり、この条約にしたがって地方自治体は政策を行わなければなりません。ここから考えると、人種差別を煽動する団体が北海道立道民活動センターという公共の機関を用いて活動をすることを認めることは、条約の趣旨に反すると考えざるを得ません。
この講演が実施されると,今までの事例から同会会長の在日朝鮮人・韓国人を対象とした「ヘイトスピーチ」がネット動画を通じて世界中に発信されることになるのは容易に予見できます。すなわち,北海道立の施設が,人種差別を助長することに加担することになります。
2014年4月9日付の毎日新聞の報道によれば、大阪府門真市は、まさにこの条約の趣旨にのっとって既存の条例の運用によって、いわゆる「ヘイトスピーチ」を繰り返す排外主義団体が公共施設を使うことを認めないということです。
北海道立の施設である北海道立道民活動センターにおいても同様の対応をとることを求めます。すなわち、今回の事例に関しては、北海道立道民活動センター条例9条(2)【資料4】に該当するとして、「在日特権を許さない市民の会」会長の講演会のために北海道立道民活動センターの研修室の使用を認めないことを求めます。
以上よろしくご検討ください。
平成26年4月18日
賛助団体一覧
差別反対東京アクション
男組
排外主義お断り・鎌倉市民の会
C.R.A.C. (Counter-Racist Action Collective)
のりこえねっと
差別らくがき消し隊
TARAI(被差別日経研究所)
北海道ヘイトスピーチデモカウンター一同
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