9月、東京の路上で

関東大震災朝鮮人虐殺事件の現場をマッピングしました。
随時追加を行っています。
正確な場所がわからずおおよそのポイントとなっている場合があります。
出典は孫引きとなっている場合があります。証言の中には、現代において不適切とされる表現がありますが、そのまま表記していますことをご了解ください。
ポイントの赤は朝鮮人殺害、青はそれ以外(亀戸署など多数の犠牲者に朝鮮人含む場合も)の殺害、灰色は殺害に至っていない事件です(あくまで目撃証言の範囲内)

参考文献(随時追加)
加藤直樹「九月、東京の路上で」(ころから)
「関東大震災朝鮮人虐殺事件東京下町フィールドワーク資料」(関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会)

「人種差別撤廃施策推進法案の早期成立を求める署名」53,597筆へのご協力に感謝いたします。

「のりこえねっと」「差別反対東京アクション」による、「人種差別撤廃施策推進法案」の早期成立を求める署名活動にご協力をいただき、まことにありがとうございました。

皆様からお寄せいただいた署名は、これまで4月8日に5,445筆、4月19日に2,895筆、4月27日に600筆、合計8,940筆を有田芳生参議院議員を通じて参議院に提出させていただきました。

その後、参議院法務委員会における与党案の提出・修正協議の進行という状況をふまえ、5月3日に一旦休止させていただきましたが、休止のご案内を差し上げた後も数多くの署名が寄せられ、5月20日現在で参議院議長宛 18,621筆、衆議院議長宛 26,036筆を集約しており、署名総数は53,597筆となりました。

これらすべての署名を衆参両議院に提出できなかったことにつきまして、お詫び申し上げます。

しかし皆様か寄せられた多数の署名によって、与党案「ヘイトスピーチ解消法案」(「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」)をベースに修正案及び付帯決議も加えられ、5月13日の参議院本会議、5月24日の衆議院本会議において、賛成多数で可決いたしました。

より包括的な人種差別を禁止するための法律として、野党提出の「人種差別撤廃施策推進法案」の成立を求めてきた私たちとしては、成立した与党案にはさらに修正すべき点もある法律ですが、ヘイトスピーチにさらされている人々を守る具体的な法律としての第一歩をようやく踏み出したことを喜びたいと思います。

そしてこれからも、署名していただいた皆様の意思を生かす様々な取り組みや行政、議会等への働きかけを進め、さらにより良い法律への改正を求めていきたいと考えています。

今回の署名の取り組みに際し、議会への紹介議員になっていただいた有田芳生議員、署名にご協力いただいたすべての皆さんに感謝を申し上げます。また参議院、衆議院の法務委員会において真摯な討議を重ね、ヘイトスピーチのない社会への第一歩となる法律を作り上げていただいた議員の皆さんにも感謝を申し上げます。

ありがとうございました。

「人種差別撤廃施策推進基本法案の早期採決を求める請願署名」にご協力いただき、ありがとうございました。

 皆さんからお寄せいただいた署名につきましては、4月8日に5,445筆、4月19日に2,895筆、4月27日に600筆、合計8,940筆を、紹介議員をお願いした有田芳生議員を通して、参議院にお届けいたしました。多くの皆さんのご協力に感謝いたします。

 皆さんもご承知の通り、4月8日に自公案「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」が提出され、私たちが推進していた「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」との違いから多くの批判が法務委員会委員に寄せられた結果、特に与党案で問題となっていたいわゆる「適法居住要件」に対して「あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約の精神に鑑み適切に対処する」「(定義)以外のものであれば、差別的言動が許されるとの理解は誤りであり、許されないものがあることを踏まえる」という文言を付帯決議に盛り込むことで、連休明けの法務委員会での全会一致を受けて本会議に提出される見通しとなっております(4月27日付 毎日新聞より)。

 このような情勢を受け、私たちの請願署名の取り組みは一旦終了させていただきます。

 当初私たちが目指した法案の形には十分になっていませんが、今大切なのは「差別を許さない」ことを法律で明確にすることだと考えます。法案が成立してからもその運用の中で不十分な部分が明らかになった時には、「ヘイトスピーチ」「ヘイトクライム」に対してより実効性のある法律への改正を改めて国会に求める私たちの不断の努力が、差別のない社会を作り上げていくことになると考えています。

 今回の署名の取り組みに際して、多くの皆さんからのの献身的なご協力をいただきましたことに対し、改めてお礼を申し上げます。これからも皆さんと一緒に力を合わせて、差別のない社会の実現に向けて歩いていきましょう。

のりこえねっと
差別反対東京アクション

差別反対東京アクションが送付した申入書に対して、日本共産党千代田区議団様からご返信をいただきました。 #5月17日秋葉原ヘイトデモを許すな

以下、ご紹介します。


前略

この度の私どもへのヘイトスピーチデモへの対策の申し入れについて対応しましたのでご報告いたします。
今回のヘイトスピーチデモは絶対許されない行為です。
本日の11時に党区議団として千代田区長に対し申し入れを行いました。(申し入れ書を添付しています)
申し入れ内容は公園の使用許可を出さないことと開催をやめさせるように区の責務を果たすことの2点です。
区は「公園を集合地点としてだけ利用する場合に許可しないということはなかなか難しい」、との答えでしたが、ヘイトスピーチや今回のデモに対しては大変問題だという認識で一致しました。区として当日は道路公園課や人権担当など関係部署の職員が現地に行くとのことです。
また、私たち党区議団や共産党の地区委員会も現地に行き、抗議のとりくみをおこなう予定です。
また、何か情報やご意見等ございましたらいつでもご連絡ください。

日本共産党千代田区議団 木村正明 飯島和子 牛尾耕二郎

5月17日のヘイトスピーチデモに対する緊急申し入れ_日本共産党千代田区議団

5/12(火)差別反対都庁前アピールを開催します。

5/17に予定されているヘイトスピーチデモが行われないよう、行政の責任で対応することを求めて、都庁前アピールを開催します。多くの皆さんの参加をお待ちしております。

  • 5月12日(火) 19:00から1時間程度
  • 地下鉄大江戸線都庁前駅E1またはA4出口

5/17に秋葉原で予定されているヘイトスピーチデモに対して、関係する行政機関、議員に対して申し入れ書を送付しました。 #5月17日秋葉原ヘイトデモを許すな

NPO法人「外国人犯罪追放運動」(代表:有門大輔)が告知しているヘイトスピーチデモに関して、関係する行政機関、議員に対して以下の申し入れ書を、本日発送しました。

発送先は以下の通りです(合計158名)。

  • 東京都知事
  • 東京都議会議員(124名)
  • 千代田区長
  • 千代田区議会議員(25名)
  • 東京都総務局人権部長
  • 法務省人権擁護局長
  • 東京都公安委員会委員長
  • 東京都公安委員会委員(3名)
  • 警視庁万世橋警察署長

2015/5/7

(宛先)様

〒169-0072 東京都新宿区大久保2丁目7−1
大久保フジビル 311 ペンの事務所気付
差別反対東京アクション
代表 石野雅之

ヘイトスピーチデモへの対策を求める申入書

前略

 私は、市民団体「差別反対東京アクション」の代表を務めます、石野雅之と申します。「差別反対東京アクション」は、東京都で行われている差別扇動デモ(ヘイトスピーチデモ)に反対し、このようなデモが行われないよう行政の責任で対応することを求めて活動をしております。

 さて、来たる5月17日(日)に、JR秋葉原駅を中心に人種差別を声高に叫ぶデモが予定されています。このデモの告知にはこのような文言が並んでいます(資料1:南関東地区スケジュール)。

「第二のカルデロン問題」と言うべきタイ人不法滞在者の少年(13歳)が日本で在留資格を求めて裁判を起しております。

こうした安易な在留特別許可の付与は、なし崩し的に日本の入管法、法治主義を破壊します。

ここで不法滞在外国人の合法化を止めなければなりません!

ここで速やかな国外退去を履行すれば合法化の流れは確実に止まります!

少年が可哀想だと言うのは可哀想だと言う側の傲慢! 本当に可哀想なのは当時13歳にして突如、北朝鮮へ拉致された横田めぐみさんら日本人拉致被害者です。

直ちに強制送還しましょう!

秋葉原は中国人観光客が特に多い電脳都市!

休日のアキバに大量の観光バスとともに氾濫する支那人どもに最大限の罵声を浴びせてやりましょう!

http://www.koudouhosyu.info/skantou/scheduler.cgi?mode=view&no=788
上記Webページを5月1日11:20に保存した記録:https://archive.is/t4sw7

 このデモを主催しているのは、平成16年に東京都が認証したNPO法人「外国人犯罪追放運動」(主たる事務所:東京都台東区東上野六丁目10番地7号 金子ハイツ401号室/代表者:有門大輔)という団体です。この団体は「地域安全」「国際協力」を活動分野として「都民及び国民に対して、不法入国不法滞在外国人問題に関する普及啓発事業や外国人犯罪による被害者の救済支援活動を行い、社会の防犯意識向上と社会の安全に寄与すること」を目的として設立されていますが(資料2:NPO法人「外国人犯罪追放運動」定款)、実際には人種差別を扇動するデモ(ヘイトスピーチデモ)をしばしば行っております。2014年1月19日には蕨市〜川口市にて、2014年4月20日には豊島区池袋において、ナチスドイツの象徴として知られるハーケンクロイツの旗を掲げ、外国人を排斥し、また街中に差別扇動を振りまくデモを行っています(資料3:反中デモでナチス「ハーケンクロイツ」掲揚資料4:日曜の池袋に白昼堂々「ハーケンクロイツ」)。

 告知文の最後にあります「秋葉原は中国人観光客が特に多い電脳都市!」「休日のアキバに大量の観光バスとともに氾濫する支那人どもに最大限の罵声を浴びせてやりましょう!」とは、まさに人種差別に基づく暴力行為であり「ヘイトクライム」扇動とも言うべきものです。東京都並びに関係機関が、このようなデモを許可したということになれば、国際問題に発展する恐れもあり、絶対に看過できるものではありません。

 告知文中にあります「カルデロン問題」とは、2008〜9年におきたフィリピン人一家に対する国外退去強制手続に関わり、日本で生まれ育ったカルデロン・ノリコさんの残留を求める運動を指します(資料5:カルデロン・ノリコ事件が語るもの)。この件に関して「在日特権を許さない市民の会(在特会)」は、蕨市にあるカルデロン・ノリコさんが通う中学校前で、外国人排斥を声高に主張し、当時中学生だったカルデロン・ノリコさんを名指しして「出て行け!」というデモを行っています(資料6:「在特会」ら、ノリコさんが通う中学前でデモ行進資料7:在特会国民大行進 中学校前「追い出しデモ」)。これもまた人種差別に基づく暴力行為であり、ヘイトクライムに他なりません。

 5/17のデモの主催者である有門大輔は、蕨市で行われたこのデモを模倣し、秋葉原でまた同様の暴力行為を行うことを宣言していることになります。なお、蕨市のデモを主催した在特会は、彼らが2009年から2010年にかけて行った京都朝鮮学校前での人種差別的な街宣行動に対する損害賠償請求裁判において、約1226万円の賠償の支払いと街宣活動の差し止めを命じる判決が、昨年12月9日に最高裁で確定していることを申し添えておきます(資料8:朝日新聞「ヘイトスピーチは差別」確定)。

 同じく告知文中にあります「タイ人不法滞在者の少年」とは、日本に生まれ日本に育った15歳の少年、ウォン・ウティナンさんのことです。 ウティナンさんは、母親が不法滞在であったために小学校にも通えず、山梨、長野などを転々と隠れ住む生活を送っていましたが、2013年に甲府市の人権団体の支援を受けて中学校に編入し勉強を続けていたところ、2014 年 8 月に退去強制処分命令を受けました。ウティナンさんはこの法務省入国管理局の退去強制処分の撤回を求める訴訟を東京地裁に起こし、4月23日には第一回口頭弁論が行われています(資料9:日本で生まれたことが罪なのでしょうか)。

 なお、カルデロン・ノリコさん、ウォン・ウティナンさんの処遇については司法の場で判断されるべきことではありますが、日本国が加入している自由権規約・社会権規約(国際人権規約)に基づき「人権及び自由の普遍的な尊重及び遵守を助長すべき義務を国際連合憲章に基づき」「その領域内にあり、かつ、その管轄の下にあるすべての個人に対し、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等によるいかなる差別もなしにこの規約において認められる権利を尊重し及び確保する」(自由権規約)ことが求められます。現在進行しているウォン・ウティナンさんの訴訟が、ウティナンさんの人権を守る視点からの判断が下されることを、私たちは心から願っています。

 私たちは、人種や民族、出自、性別、性的指向を理由にした差別に断固として反対します。また差別を他人に強要し社会を扇動するヘイトスピーチを、差別に基づく暴力行為、ヘイトクライムを許しません。

 私たちは貴職に対し、人権を守る日本国に生まれ育ち、地域行政に関わる公務員、議員として、このようなデモが実施されないよう最大限の努力をされることを強く要請し、以下の具体的な行動に早急に着手することを求めます。

 貴職が私どもからの申し入れを真摯に受け止め、地域住民の安全と安心できる地域社会の実現のために奮闘されることを願っております。

草々

  1. デモの申請内容を精査し、地域社会に脅威をもたらすような内容と判断した場合は、直ちに中止もしくは是正のための処置を行うこと。
  2. デモを主宰するNPO 法人「外国人犯罪追放運動」の実態を調査し、特定非営利活動法人法や地域条例等に違反するような活動、行動がある場合には、認可取り消し措置を含め、直ちに適切な対応を講じること。

以上

#TRP2015 CRAC/TOKYO NO H8/Rainbow Protesters Japan ブースにてレインボーシリコンリングを販売します。

Tokyo Rainbow Pride 2015 パレード&フェスタ会場にて、CRAC/TOKYO NO H8/Rainbow Protesters Japan共同運営ブースが開設されます(4/26のみ)。差別反対東京アクションではこの共同ブース開設の趣旨に賛同し、昨年の東京大行進で好評をいただいた「レインボーシリコンリング」(1,000円)を販売させていただきます。

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  • Tokyo Rainbow Pride 2015 パレード&フェスタの詳細はこちら
  • ブースマップはこちら ブース番号は「15」です。

 

#統一地方選挙2015 中央区議会議員選挙、中央区長選挙の候補者にアンケートを送付しました。

昨年末の衆議院選挙と同様に統一地方選挙に合わせて、候補者に対してヘイトスピーチ対策についてのアンケートを実施すべく準備をしていました。しかしながら、東京都で行われる全選挙の定員数を合わせると、昨年末の衆議院選挙の立候補者数を超える人数になり、一週間という時間の中で全ての選挙区でアンケートを行うことは不可能と判断しました。

そこでアンケートの対象を、東京都でいまだにヘイトスピーチデモが行われている中央区に絞り、本日区議会議員選挙、区長選挙候補者全員にアンケートを送付しました。

各選挙の候補者一覧はこちらからご覧になれます(中央区選挙管理委員会のページ)

送付したアンケートはこちらです。

回答が戻りしだい、順次東京アクションのWebにて公開します。

株式会社晋遊舎に対して「マンガ大嫌韓流」の出版についての抗議と要求を送りました。

本日、株式会社晋遊舎 代表取締役社長 西尾崇彦殿あてに、以下の抗議と要求を送りました。要求に対する回答が送られてきたら、またご報告いたします。


株式会社晋遊舎
代表取締役社長 西尾 崇彦 殿

「差別反対東京アクション」の石野雅之と申します。「差別反対東京アクション」は、東京や各地で行われてきたヘイト・スピーチ(差別扇動表現)デモや様々な差別言動について、これらを社会から無くすべく活動をしている市民団体です。

以下、貴社が刊行した『普遊舎ムック「マンガ大嫌韓流」(作:山野車輪 原作協力/丹波秀明)』に対する抗議と要求をお伝えします。

「マンガ大嫌韓流」は、「嫌韓流シリーズ」最新作として御社より発行された書籍です。過去に出された「マンガ嫌韓流」も幾多の虚偽記載を含む極めて差別的な内容として、各方面から厳しい批判を浴びてきました。

今作はさらにそれに輪をかけた差別扇動本として、すでに多くの社会的な批判を浴びています。全7話とエピローグからなる内容は、虚偽(デマ)記載に満ちたものです。

第1話「慰安婦像と反日プロパガンダ」は、社会科学的に認知されたソースを示すこともなく、それゆえに虚偽と悪意に満ちたものとなっています。第1話に関する批判は、現地取材を行った小山エミ氏がWebページに簡潔にまとめられているので是非ご覧ください。

http://macska.org/article/410

またこの漫画の情報ソースになっていると見られる、GAHT:「歴史の真実を求める世界連合会」による慰安婦像設置に反対する訴訟に関しては、裁判所がスラップ裁判(SLAPP : Strategic Lawsuit Against Public Participation・市民参加を妨害するための戦略的訴訟)であると認定しました。SLAPPとは批判的な言論をやめさせようとして起こす恫喝的訴訟とも呼ばれるもので、米国の反SLAPP法はその適用基準も極めて厳しいものです。それにも関わらず、GAHTの主張(「マンガ大嫌韓流」に記載されている内容もこの主張とほぼ同じ)は正当性をもたない、言わばいちゃもんとして全面的に退けられています。これは、2014年8月の判決であり、「マンガ大嫌韓流」の発行以前の事実であることも、重要な点として指摘しておきます。

虚偽記載という意味では、第3話 「慰安婦問題の成り立ち」がとくに酷い内容となっています。これらの主張は、国内においても国際的にも到底通用するものではないのは自明の理です。慰安婦の実態については、元日本軍将兵・軍属が手記や証言のなかで慰安婦に言及している口述資料(Oral History)というものがいくつも存在しています。こちらのWebページはそれら口述資料をまとめた一例です。是非ご覧ください。

http://d.hatena.ne.jp/dj19/20121213

また、元自衛官である泥憲和氏が、数々の資料を元に慰安婦に関する論考をまとめられています。こちらのwebページも是非ご覧ください。

http://members.jcom.home.ne.jp/samest/contents/TheFactOfComfortWomen_byDORO.pdf

第2話「告げ口外交とディスカウントジャパン運動」の記述も独断と偏見に満ちたものであり、何ら科学的根拠を示すことなく、以下の記述にあるように読者を排外主義、ひいては戦争に誘引するものであると言えます。

「韓国とはそもそも李承晩率いる反日テロリスト集団によって建国された国だ」「反日は建国の理念であり韓国人のアイデンティティなんだ」P52

「敵性外国人でテロリスト予備軍である在日韓国・朝鮮人を日本から叩き出すのよ!」P71

「日本人は自存自衛のため、また韓国の暴走を止めるため・・・覚悟を決めて戦うしかない」P73

さらに第5話「『強制連行神話』と『在日特権』」には以下のような記述があります。

「在日という反日外国人の集団がこの日本に55万人も存在しているという恐ろしい現実」P142

「私たち嫌韓流同好会は日本社会に害をなす不逞在日を今こそ日本から叩き出すことを提唱したいと思います!」P143

「韓国人の口から排出されるものはCO2とキムチ臭と嘘だけなのよ。」「韓国人は今すぐ呼吸するのを止めてほしいわ」P146

「被害者のふりをした「当たり屋」「ゆすりたかり集団」それが在日韓国人の正体なのよ」P149

「在日特権の存在を否定する在日は即刻、祖国に帰りなさい!」P156

「日韓戦争が勃発した場合、在日が日本国内で武装蜂起する可能性が非常に高い」P160

これらは出自や民族的属性をひとくくりにして、人格を否定し、他者の心身を攻撃するヘイト・スピーチ(差別扇動表現)そのものです。

第6話「朝日新聞と従軍慰安婦問題」には、民族差別のみならず特定個人への誹謗中傷も繰り広げられていることも看過できません。

「植村隆には反日に手を染めた者は悲惨な末路を遂げるという教訓を世に知らしめるための生贄になってもらおう」P199

引用してきたこれらの記述はごく一部にすぎませんが、差別扇動、ひいてはジェノサイドを誘引するものであることは疑う余地はありません。あろうことかP166には、「攻撃こそ最大の防御、君たち在日が謝罪するまで殴るのをやめない」のセリフと共に、在日コリアンと見られる登場人物を殴り続けるシーンも描かれています。私たち日本人には、1923年の関東大震災時に「朝鮮人虐殺」が行われたという歴史があり、この歴史を振り返るからこそ、このような記述を見逃すことは出来ません。

エピローグで「真の日韓友好への道を」との表記で締めながらも、それまでの内容は民族蔑視にまみれたものであり、独善的で排外主義に基づく内容となっています。繰り返しますが、「マンガ大嫌韓流」の内容は差別を扇動するものであり、社会に憎悪を拡散する役割を担っていると言っても過言ではありません。

これら一連の表現を「漫画だから、フィクションだから」などと言い逃れすることはできません。作者、原作協力者の意図であることはもちろんのこと、これらの欺瞞、デマ、誹謗中傷を盛り込んだ作品が出版に値すると判断した貴社の、社会に対する姿勢が込められているものと判断せざるを得ません。

日本国憲法 第21条で言論の自由は保障されているとは言え、それは他者の人権(権利)を尊重する上で成立する概念であることは、近代法の考え方から言うまでもないことです。また既に日本が批准している「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」の趣旨に照らしても、「マンガ大嫌韓流」は差別を助長し扇動する刊行物であると言っていいでしょう。

あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約

第4条
締約国は、一の人種の優越性若しくは一の皮膚の色若しくは種族的出身の人の集団の優越性の思想若しくは理論に基づくあらゆる宣伝及び団体又は人種的憎悪及び人種差別(形態のいかんを問わない。)を正当化し若しくは助長することを企てるあらゆる宣伝及び団体を非難し、また、このような差別のあらゆる扇動又は行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとることを約束する。

本書の奥付には、次のような「ご注意」と題する記述があります。

「また、セリフの一部に差別的なニュアンスを感じられる方がいらっしゃるかもしれませんが、作者および出版社には、差別の意図はまったくございません。この作品は「お互いを知るところから真の友好が始まる」という信念に基づいて描かれており、私たちがこれを出版致しますのは、作品の根底に流れる「日韓友好」「差別反対」「歴史再考」などのテーマを広く社会に訴えることに意義があると考えたからです。」

「差別的なニュアンスを感じる読者」の存在を認めつつも「差別の意図はまったくない」と強弁する姿勢はそもそも矛盾であり、差別の本質を無視した倒錯した「理屈」にすぎません。また、

「ごく少数のまともな韓国人には対話のドアを開けておくべきかも」「活動の大義名分として一応アリバイ的に友好を掲げておくことには特に反対はしないわ」P251

などの記述は、「日韓友好」と記述することそのものがまさにアリバイ的であり、「日韓友好」という言葉を使いつつその意図が真逆であることは疑う余地はありません。

明らかな虚偽をはじめとして、科学的検証にも到底耐えられない様々な記述、そして民族差別とジェノサイド扇動、戦争誘引に道をひらく「マンガ大嫌韓流」は、「差別と憎悪」を世に拡散するものです。私たちは「マンガ大嫌韓流」の作者・原作協力者ならびに出版元である貴社に対し強く抗議します、また、貴社に対し次の2点を要求いたします。

1.貴社は「マンガ大嫌韓流」の内容を精査し、虚偽の記載について訂正と謝罪を貴社Webページに掲載すること。

2.「マンガ大嫌韓流」のような差別扇動本が社会へ与える影響を自覚し、言論出版界の一員として今後再びこのような書籍の出版を行わない旨の宣言を、貴社Webページに掲載すること。

私どもからの抗議を真摯に受け止め、2項目の要求については2015年5月1日までに誠意ある回答を送るよう求めます。